ベーリング期

     ベーリング期

   日本の第四紀地層

  日本でも日本アルプスや北海道日高山脈には氷河が発達していた証拠として、浸食谷がのこっている。第四紀には、日本列島ではげしい地殻変動がおこった。現在の山脈、盆地、火山、海底地形などは、ほとんどが第四紀にあった変動の影響を大きくうけている。この原因についてはよくわかっていないが、日本列島に東西方向の強い圧縮力がはたらくようになったためであるといわれている。

  現在から、約2万年前の最終氷期の最寒期には、海面は全世界で120m以上も低下しており、日本列島も、津軽海峡の一部、宗谷海峡、瀬戸内海の大部分などが陸続きで、アジア大陸ともつながり、現在の日本海は、ほとんど塩湖だったと推定されている。このとき、多くの動物が渡来し、日本の生物相に大きな影響をあたえた。約1万年前からの完新世になって、平均気温が高くなり、海面が上昇し、現在の海陸分布ができあがった。

  現在の人類につながる種が、東アフリカで誕生したという説が有力で、その年代は400〜500万年前とされている。誕生してから人類は、長くアフリカの大地溝帯にとどまっていたが、約100万年前から死海付近に進出し、やがてヨーロッパやアジアにも拡散していったと推定されている。

  人類がシベリアに到達し、やがて氷河期には陸続きだったベーリング海峡から北アメリカに到達したのが3万年前ぐらいと考えられている。第四紀の最後の氷期はウルム氷期といい、約1万年前までつづいた。その期間は広大な氷河が陸地をおおっていた。北アメリカに到達した人類も、南北3500km東西4400kmにおよんだローレンタイド氷床にはばまれ、先にいけなかった。

  ウルム氷期が終了すると、人類はアメリカ大陸の南へと拡散していく。現在のところ遺跡の調査やDNAの研究から、ローレンタイド氷床を突破した人類が南アメリカの南端に達するまでは、短期間でほぼ1000年だったと推定されている。